本開発事例は、冷間鍛造によるベベルギヤ成形において、外側のベベルギヤ部と内側のセレーション部を同一工程で成形した試作開発事例です。
| 製品名称 | ベベルギヤ |
| 用途 | 自動車部品 |
| 工法 | 冷間鍛造 |
| 成形荷重 | 650tonf |
| 開発期間 | 3ヶ月 |
開発の背景と課題
ベベルギヤは、外側の歯部を鍛造で成形し、内側のセレーション(スプライン)部を切削加工で成形する工法が一般的です。
このため、鍛造工程と切削工程の複数工程が必要となり、生産性向上や工程集約の観点から改善の余地があります。また、内歯形状と外歯形状を異なる工程で加工するため、製品要求に応じた精度確保や工程管理が必要となるケースもあります。
多軸複動プレスによる内外ワンショット成形
多軸複動プレスを活用し、ベベルギヤ部と内側セレーション部を同一工程で成形する試作開発を実施しました。
本開発では、従来は複数工程で製造されていた形状について、ワンショットでの成形が可能であることを確認しました。このような複雑な成形を実現するためには、材料流動を考慮したモーション設計や各軸の動作タイミングの最適化が重要となります。当社では、これまでの開発実績とCAE解析を活用しながら検討を重ね、本試作を実現しました。また、本工法により内側セレーションを切削加工せずに成形できる可能性が確認されており、将来的な工程集約や生産性向上に向けた有用な結果を得ることができました。

高精度ベベルギヤを実現する開発体制
高精度なベベルギヤを成形するには、高い成形荷重による金型変形や「熱処理変寸」を正確に予測し、逆算して金型を設計する高度な「歯面補正技術」が不可欠です。これに加え、CAE解析による充填プロセスの可視化、さらに「かみ合い試験機」による実地評価までを自社で一貫して完結できるのは、独自のノウハウと設備を併せ持つ当社だからこそ。この徹底した検証体制が、狙い通りの品質を最短で実現する鍵となります。


高度な要求に応える一貫開発体制と確かな品質保証
最先端の多軸複動プレスをはじめとする設備と、それを最大限に活かす豊富な開発実績、成形ノウハウ、そして高度なCAE解析技術を融合させた一貫開発体制こそが当社の強みです。
特に、複雑なワンショット同時成形のノウハウは、高度なCAE技術によって裏付けられ、最適な成形条件を短期間で特定し、トライ&エラーを大幅に削減しています。さらに、独自の歯面補正技術による高精度な形状実現に加え、保有するかみ合い試験機を用いた部品精度確認までを一貫して行い、お客様の要求する最高の品質を保証することが当社の際立った対応力です。
軽量化、高強度化、高精度化を目的としたあらゆる部品の鍛造化をご検討でしたら、ぜひ一度ご相談ください。お客様の課題を解決するハイレベルなソリューションを提供し、製品化を強力にサポートいたします。
このコンテンツの執筆者

H.T ㈱ヤマナカゴーキン ソリューション本部 理事
通称「鍛造オヤジ」として親しまれる、43年間一貫して鍛造に携わり続けてきた熟練技術者です。 長年自動車メーカーに勤め、型設計から設備導入、新部品の立ち上げ、高度な鍛造工法の開発まで、 あらゆる工程を一通り熟知してまいりました。その技術力は公的にも高く評価されており、過去2回「素形材産業技術賞」を受賞した実績もあります。
ヤマナカゴーキンに籍を置いてからも10年を超え、蓄積された知見を武器にお客様へ最適な提案を続けています。 現在は理事という立場にありますが、 常に「五ゲン主義」をモットーとして、 今もなお、実務の最前線でバリバリと指揮を執っています。
これまでに培った知見を次世代へ引き継ぐべく、 現在は「"2代目"鍛造オヤジ」の育成にも情熱を注いでいます。

